院長コラム

歯科医療における新型コロナウィルス感染症対策

歯科治療も新型コロナウィルスが流行して半年くらいの期間にいろいろな事が変化しました。
歯科医師は口の中を診て実際に処置を行うことがほとんどですのでB型肝炎 HIVなどの感染症に対する準備は以前から十分に行われてきました。また日常的にマスク、グローブ、ゴーグル等装着して治療をしてました。
しかしながら新型コロナウィルスに対しては従来の感染対策では不十分なところがあります。雑菌だと思っていた箇所がコロナウィルスの付着の可能性が出て来たため接触する場所のアルコール消毒や接触しない様にシステムを変更しました。もちろん本や雑誌、子供の絵本までも撤去しないといけない事になりました。感染予防のため器具の洗浄を自動洗浄器を使いその後、滅菌器にいれる様にしました。
いとう歯科は予約制ですので診療室、待合室の人数を制限してまた常に換気しております。患者さんはマスク着用、検温と手指のアルコール消毒をしてから診察室に入って頂きお口の中をうがい薬で消毒してから治療開始となります。37度以上の方は治療を延期させて頂きます。
口腔内で使用する器具は滅菌したものを一人ずつ交換して使ってます。滅菌出来ないもの例えば診察台などは使用するたびに消毒を行います。また新型コロナウィルスで問題になっている飛沫感染を防止するために口腔外バキュームと言う装置、空気清浄機、換気扇等を用いてウィルスの飛散を防止してます。治療中に飛沫は患者さん本人のものである事からも患者さんの感染は低く医療従事者は防護服、フェイスシールドなどにより院内感染を予防してます。ですから医療従事者から患者さんに感染するリスクは非常に低いと考えられてます。
院内では更衣室を一人ずつ使用、昼食は孤食、日常の行動指針を設け院内感染防止を行ってます。
治療を自粛されていた患者さんもいらしたと思いますが、中断していた治療の再開定期検診を継続することをお勧めします。
口腔疾患の多くは口の中にいる細菌によって引き起こされます。お口のメンテナンスを怠ると細菌が増え結果的に感染症のリスクを高めることになります。特に歯周病菌はウィルスが人間の体に侵入する時に必要な糖タンパクを活性化させる働きをします。結果的に歯周病菌がコロナウィルスへの感染を手助けしてしまいます。またコロナウィルスに感染して肺にダメージを受けると抵抗力が落ちているところに歯周病菌や口腔内細菌が現れ更に重篤な状況に陥らせると言われてます。
お口の中の病気は虫歯や歯周病だけでなく舌、粘膜、顎骨など定期的に受診することで早期発見し治療しなければならない病気もあります。
2020年7月現在ではワクチンもまだ開発されておらず感染者数も増加傾向にあります。今後も新型コロナウィルスのデータが日々発表されていとう歯科の感染予防対策もアップデートされてます。患者さんと医療従事者の感染予防をしっかり行って新しい診療スタイルにご協力ください。