院長コラム

お口の清掃方法とタイミングについて

A.おロの清掃をする前に! ! !
おロの清掃方法は、患者さんによってバラバラです。
歯を磨くという意識ではなく、おロの中の「食べかす」を取り除くという意識を持って、おロの清掃をすることが大切です。1日に1度、必ずしっかりと清掃しましよう。
ではいつが良いかというと、寝る前がとても効果的です。
もう何も食べないと決めた後、必ず鏡に向かい今からおロの清掃をしますよ、と自分にいい聞かせてから始めましよう。

B.さあ、歯磨きを始めましよう! ! !
①上顎を2分以上、下顎を2分以上、お水でブラッシングします。
②デンタルフロスで歯と歯の間の食べカスを取ります。歯間ブラシを使ったほうが良い人は使います。歯ブラシで落とせる歯垢はせいぜい60%、デンタルフロスを使うと86%まで効果が上がります。
③歯磨き粉を付けて、ザザッと歯ブラシでブラッシングをします。
④最後に洗ロ剤でお口をすすぎ、おロの中の細菌の数を減らします。

C.忙しくて歯を磨けない時には?
砂糖不使用やフッ素入りのガムを噛みましよう。
海外では、水道水にフッ素を入れるなど、日本と比べてフッ素を虫歯の予防に使う国が多いです。

D.洗ロ剤にはどういうものがあるの?
洗ロ剤には様々な種類がありますので、是非こ自分に合ったものを選んで使ってみてください。

変わる歯磨きの常識

歯磨きは、食後すぐがよい、と思っていませんか?
いままでの常識では、歯磨きは食後すぐが効果的と言われていましたが、常識も変わってきます。歯磨きは食後30分後にしましよう。

なぜ?

飲食物などに含まれる酸により、歯の表面が溶けてしまう「酸蝕歯」。進行すると冷たいものが歯にしみる知覚過敏や、虫歯のような痛みを引き起こします。これを予防するためには、酸性になったロの中て柔らかくなって溶けだしたエナメル質を、復活させなければなりませんが、それには30分ほど時間がかかります。食後すぐに歯をゴシゴシ磨くと柔らかくなったエナメル質を削り落すことになります。ですので「食後30分ほど置いてから歯磨き」しましよう。

酸性の強い飲料水は?

黒酢飲料、梅酒、乳酸飲料、りんごジュース、スポーツドリンク、コーラ飲料など意外に多いです。

対策は?

①ロの中の酸性の時間をできるだけ短くするには、ダラダラ飲食を控えましよう。
②酸性とわかっている飲み物は、ストローで飲みましよう。
③飲食後は水やお茶で軽く口の中をすすぎましよう。
歯を磨く1番の目的は、虫歯や歯周病の原因菌のすみかになる歯垢を取り除くことです。
ロの中の食べカスが歯垢になるまで48~72時間かかります。
寝ている間は唾液が減ってロの中の菌が増えやすくなるので、寝る前にロの中をきれいにするのが効果的です。

〈歯の再石灰化〉
再石灰化とは飲食で脱灰した歯のエナメル質の表面に、唾液に含まれるカルシウムとリン酸が再付着することです。食事をすると唾液の分泌量が増えて酸を中和する能力が高くなります。つまり再石灰化を促進している状態になります。食後30分経つと食前と同じレベルになるので酸性の食品を摂取した後は30分後に歯磨きをすると良いです。
歯磨きのタイミング、道具、回数など工夫してお口のクリーニングを行ってみて下さい。